レイモンド・カーヴァー 大聖堂を読んで
人と人との心の交流、と書くと簡単だけれど、
実際に心を通わせることができるのは、
本当に瞬間的なものである。
どんなに長い付き合いでも(長い付き合いだからこそ)、家族でも(家族だからこそ)、
その瞬間は予期せず訪れ、
そしてあっという間に去っていく。
この物語は登場人物も3人と少なく、
ページ数も非常に少ない。
ただその簡潔な描写に含まれる、ユーモラスさ、
そして(これは訳者も指摘している通り)品位、
感動を体験すると、
大げさな描写や、饒舌さは、
何かを語りたい時ほど必要がないことを示してくれる。
※その雰囲気からか、なぜか盲目の登場人物は、
勝手に脳内でモーガンフリーマンでイメージされた。
人と直接触れ合うことの少ないこの時代にこそ、
読まれるべき物語だと思う。
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