2021-04-01 光る産毛 所用で京浜東北線に乗って、北に向かった。途中、女子高校生が電車に乗ってきて、ドアの前に立った。熱心に携帯を見ているその子の、こめかみの産毛が光に透けて、チラチラと光っていた。この子は青春の真っ只中にいるんだな、と、ふと懐かしい気持ちになる。そして桃を思い出す。***よく男の人のまつげを見てしまう。マスカラやマツエクがないのに、まっすぐしっかりと生えていて、羨ましいと思う。量が多い人を見ると、牧場にいる牛を思い出す。日が当たると、頬の高いところに影ができて、いい感じ。まつげが細い人も、俯くと思慮深く儚く見えて、それもまたいい。***桃も牛も人も、産毛もまつげも。