木曜日の夜明け
1週間の中で1番静かなのは木曜日の夜中らしい。
今は空が白んできて、
鳥が遠くで泣いてるのが聞こえて、
すごくいい独りの時間。
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勉強しなければならない、
個人的な理由により、
最近手で計算問題を解くのだが、
計算をしていると、
頭の中でパズルがハマっていく。
艶々と
スナップエンドウが冷蔵庫にあったので、
シンプルに塩茹でしようと思った。
沸騰したお湯に入れた後に気がつく、
筋取りを失念。
調べてみると、スナップエンドウの
筋は裏と表、両方取るといいらしい。
仕方がないので、
茹でたての柔らかいスナップエンドウに、
包丁を立てて、
スーッと筋を剥がしていく。
筋と一緒に薄皮が取れると、
スナップエンドウの表面がツヤツヤと光る。
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independent のネット記事を読んでいたら、
民族多様性、フェミニズムなどの
記事で溢れていた。
結局今の問題点を指摘するばかりで、
どうすればいいのかという意見は、
なかなか見えづらい。
指摘というのは、表れ方・書き方はどうであれ、なかなかにきつい。
自分の理解力の浅はかさに嫌気がさした。
スーパーに行きレジ待ち。
俺は忙しいのになんで並んでるんだ、
と文句を言いながら複数の
レジを彷徨っている人がいる。
わたしの後ろは誰もいなかったので、
お先にどうぞ、と言ったら、
2回もお礼を言われた。
怖い人でなくてよかった。
1つ1つ自分にできる善いことを、
大なり小なりやっていけば、
醜い争いも、
いつかなくなるんだろうか。
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そんなことを思いながら、
ツヤツヤのスナップエンドウが入ったケースに、
そっと蓋をする。
残るもの残らないもの
桜が咲き始めて、大人も子供も楽しそうに桜の写真を撮ったり、
眺めたり。
万人にとっての喜びっていうのはいいですね、春。
あまり春は得意じゃないけれど、
街行く人が嬉しそうなので、こちらも嬉しくなる。
喜びのお裾分け。
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雑誌「GINZA」の千葉雅也さんと朝吹真理子さんの対談が、
とっても興味深く、
特にデータで残っていない文化について触れているところに、
納得してしまった。
データに残らない流行というのは、不思議。
私が十代のときは、男の子がピンクを着たり、
ヘアピンやヘアゴムで前髪を縛るのが流行っていた。
学生時代の制服のカスタム(スカートを短くしたり、
腕のボタンと襟の第一ボタンはあけて、
ローファーはかかとを潰して履く。肩掛けかばん無理やりしょっていた)
は、セブンティーンとかに載っていたのを記憶しているが、
そもそもあの崩し方をだれがどうやって考えたのだろう。
そしてそれも紙媒体がもとになっているものだと、
もうデータとして読むことができないのかと思うと少し悲しい。
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いまは女の子がボーイッシュな服を着るのが流行っているけれど、
昔は男の子が細身の服や、ピンク色を身に着けるのが流行っていたと思うので、
この逆転というのがどうゆうものの現れなのか気になる。
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SNSで残るファッション・流行も便利だけれど、
昔のものはこのような形で残らないので、
頭の片隅に大事にとっておこうと思う。